One Note Samba [ジャズ名曲日本語歌詞 #17]

ジャズ名曲日本語化プロジェクト、17曲目は「One Note Samba」、ボサノバの曲です。こちらの日本語詞、アレンジ、演奏を致しました。

インストで演奏することはほとんどないですが、ボーカルさんはよく歌いますね。

この曲の原曲のタイトルはポルトガル語で、「Samba de Uma Nota Só(サンバ・ヂ・ウマ・ノタ・ソ)」です。作曲はアントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)、作詞はニュウトン・メンドンサ(Newton Mendonça)で、1960年に発表されました。

タイトルの意味は「一つのノート(音)でできたサンバ」といったところでしょうか。「Nota(Note)」の意味は日本語で言うところの「音」になりますが、「音符」を指すこともあれば「音の高さ」を指すこともあれば、誰かが発した1つの「音」を指したりします。つまりいろんな意味を総称して「音」って訳している感じですね。この曲での意味は「ド」とか「レ」とかそういう「音高」ってことかと思われます。

歌詞は一言で言うと「愛を伝えるには1つの音で十分」って感じで、なかなかロマンチックで素敵です。サビんところはスケール(音階)をそのまま上下したようなメロディーなんですが、そこの部分の歌詞が「スケールの音をふんだんに使っても何も伝わらないのさ」って感じで、洒落も効いてて文字通り「オシャレ」な曲です。

てことで、ワンノート、完成でございます!

プレーヤーはおなじみ

Vocal:KAITO
Piano, Bass, Guitar: みちすけP
Drums:まっちゃん

この曲のアレンジの肝は何といっても間奏のスキャットんところですね。ジョアン・ジルベルト(Joao Gilberto)が歌っている音源があるんですが、メチャクチャカッコいい。ボーカルの人はみんなこのスキャットは歌って欲しいなあ、なんて思ってますw

あと、エンディングは3回繰り返す人が多いんですが、ブラジル人で繰り返してる人いないし何よりカッコ悪いのでなるべくここは繰り返したくないところではありますw

てことで、スキャット入りのおすすめ音源はこちら。ワシの取ったスキャットは必ずしも正しくないので原曲からきちんとコピッた方がいいかもw

最後に、訳詞について。

ポイントは3つありました

(1)「Nota(Note)」をどう訳すかw

「音」だとちょっと安直でイモっぽいし、「音符」はリズムもいいしオシャレな感じがいいけど意味がちょっと合ってないし…

で、悩みに悩んでふと思ったんですが、「1つの音」って「1つのーと」にも聞こえるじゃないですか。それってまさに「1つNote」ってことじゃないですか!ゴロの良さが勝って「音」に決まりましたね。

(2)Aメロの韻

普通に歌詞を訳すとなんかのぺーっとしててダサかったんす(よく考えたら同じ音を繰り返しているだけのメロディーなので当然っちゃ当然)。なので韻を踏んでリズムを出すことにしました。結構苦労したw

(3)サビ

ポルトガル語の歌詞は「~ nada(ナーダ)」っていう語尾を繰り返してて、結構それが耳に残るんですね。つまりこの曲の歌詞の特徴的な部分の1つだと思ったので、何とか生かしたいと思いました。

てことで、日本語訳は「~ないんだ」っていう感じにしましたw

もう完全にオヤジギャグの域ですなw

また一番と二番でちょっと単語を変えてるところもありますが、ま、この辺はジャズでは常套手段なので当たり前ってことでw

てなわけで、歌詞は以下です。

One Note Samba

作曲:Sigmund Romberg
作詞:みちすけP

これはちっちゃなサンバ 1つの音のサンバ
他の音もあるんだ でもルートは一緒さ

いろんな音を聞いた結果 次の音が生まれるんだ
君が僕の心惑わすように

ぺちゃくちゃしゃべってても誰も聞いてないんだ
伝わってないんだ

スケールを使い尽くしても歌えないんだ
響かないんだ

だから最初の音 君に捧げる音
僕はその音に注ぐ ありったけの愛を

人はもっと歌いたがる
レミファソラシド
でも大事な音は1つだけさ



毎度のことながら、ジャズボーカルの皆様はこの曲をこの歌詞で無断でバンバン歌っちゃってください!

動画とかもどんどんアップしてくださいませ
(ただし著作権は放棄していないので、説明文などでよいので、作詞作曲者の記載などよろしくお願いします)

歌詞カードPDFも用意しといたのでどーぞどーぞ印刷して使ってくださいw

というわけで、引き続きジャズ名曲日本語化プロジェクトをよろしくお願いします

https://michisukep.com/category/jjazz/
ジャズ名曲日本語化プロジェクト | みちすけPのボーカロイド研究所 (michisukep.com)

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