ウッドベースマイキング入門、前編ではピックアップとマイクについて説明しました。

後編はミックス手順について解説したいと思います。

ここで解説する手順については、一般的な内容も含まれているので、エレキベースのミックスを行う際にも参考になるところがあると思います。また、コントラバスのソフトウェア音源でも基本的には同じと考えていいでしょう。

ただ、最初に1つ断っておきますが、みちすけP自身、ウッドベースのミキシング術についてはまだまだ試行錯誤の段階であり、ここに書かれたミックス方法が正解というわけではありません😆

そもそも、ジャズのミックスは年代やアルバムによってまちまちで、何が正解なのかよくわからないというのもあります🧐

というわけで、みちすけPは

・ベースラインが見えるが、他の楽器を邪魔しない
・生演奏感、空気感がよく再現できること

あたりを考えてミックスしています。

後者は、音をいじりすぎるとせっかくの生楽器の良さがなくなってくるので、特にその辺を注意しながらミックスしてますね。

あと、みちすけPは、マイキングはピックアップとマイクのブレンドにしているので、その方法で紹介します。ピックアップを使わない場合は、ピックアップの項は読み飛ばして大丈夫です。

それでは手順を見ていきましょう。

1.グループトラックの作成

まず、ベース音の音作りの前段階として、ピックアップとマイクのブレンドをするためのグループトラック(ここではBassGroupという名前にする)を作ります。

ピックアップのトラックとマイクのトラックの出力先をこのBassGroupにします。

複数テイクレコーデイングした場合は、ピックアップだけのグループトラック(名前はMicGroupとする)、マイクだけのグループトラック(名前はLineGroupとする)を作って、作ったグループの出力をBassGroupに繋ぎます。

ややこしいw

例えば2テイク録って、テイク1のトラックが(Mic1, Line1)、テイク2のトラックが(Mic2, Line2)だとすると、Mic1とMic2をMicGroupに送り、Line1とLine2をLineGroupに送ります。そしてMicGroupとLineGroupをBassGroupに送るといった感じです。

2.ピックアップトラックのミックス

ピックアップ音をミックスするときのポイントは

  1. アンプシミュレータを通す
  2. 低域成分はバッサリとカット
  3. 出力は小さく

です。

実際にライブではピックアップ音はアンプを通して聞きますから、アンプシミュレータを通した方が音はリアルです。よさげなアンプを選びましょう。

また、ピックアップ音をブレンドする理由はマイク音の抜けの悪さを補正するためなので、低域は必要ありません。低域はマイクのトラックにふんだんに入っているので安心してバッサリとカットしましょう。

カットするには、ローカットフィルタまたはイコライザを使います。

また、マイクの音がメインなのでピックアップの音は小さめにブレンドします。

参考までに、みちすけPのとある曲のピックアップ音のミックスはこんな感じです。ボリュームつまみもほんの少ししか上げていないのがわかると思います。

3.マイクトラックのミックス

実は、マイク音のトラックは基本的にやることはないです。

音作りはBassGroupで行うので、マイク音をそのままグループトラックに送るだけです。

まあ、例外的に、よっぽど低域が膨らんでいる時など、あらかじめこのチャネルで低域を絞ってからグループトラックに送ることははあります。

4.グループトラックのミックス

さて、ここからがウッドベース音作りのメインの処理になります。ウッドベースの音作りで具体的にやることは

  1. モワッとする低域成分のカット
  2. ベースラインの可視化

の2つです。

実はピックアップの音を足す、というのも大きく分けると2番の目的があったんですね。つまり、行う作業には必ずどちらかの意味があります。

では見ていきましょう。

4−1. モワッとする低域成分のカット

ウッドベースの音には、エレキベースとは比較にならないほど低音が入っています。もちろんこの低音成分が欲しいからウッドベースを使っているわけですが、ミックスをするとなると、この低音成分がモワっとさせてしまう原因にもなっています。

そこで、イコライザでモワっとする帯域をピンポイントにカットします。

ポイントは

1.50-100Hzあたり
2.250-300Hzあたり

です。正確な周波数はマイクや楽器、録音状況にもよるので、他人の真似をするのではなく、必ずマウスを動かして耳で探しましょう。思いっきり突いたり削ったりすると見つけやすいです。

参考までに、とある曲ではこんな感じになりました。

なお、スッキリするからといって削りすぎると逆に迫力がなくなるのでほどほどにしましょう。

実は、イコライザの場合、音量によらず設定した帯域をカットしてしまいます。つまり、音が大きくても小さくても等しくカットするため、小さい音で弾いているシーンでは迫力がなくなってしまうことがあります。

それが気になる場合は、マルチバンドコンプレッサーが便利です。

マルチバンドコンプレッサーで100kHzあたり以下(これも探す)にコンプをかけます。こうすると、音が小さい時にはコンプがかからないようにできるので、迫力ある音を残すことができます。

4−2. ベースラインの可視化

実はモワッとしたのを取り除くだけである程度ベースラインは見えてきますので、録音状況によってはこの作業は必要ないかもしれません。

とりあえずベースラインが見えづらいという状況を想定して作業を進めます。

先ほどのイコライザの参考画像で気づいた方もいると思いますが、2kHzあたりを持ち上げています。ここはベースラインが浮き出てくる帯域なので、探して突いてあげます。

さらに、まだ見えづらいという場合はコンプを使います。

スレッショルドを低めにし、アタックを通してあげて全体を5dBくらい潰すとラインが見えてきます。

4-3. その他

あと、やる可能性のある作業としては、他の楽器でもあることですが、飛び出たところを潰す、逆にどうしても聞こえないところを突く、といった作業でしょうか。

まあこれも、生楽器である以上仕方ないと割り切ってもいい部分ではありますが、よっぽど気になる場合はオートメーションで突いたり凹ませたりしましょう。

所々飛び出た音がある場合はコンプで潰すこともできます。

スレッショルドは高め、レシオは高め、アタックは最速にして、飛び出た時だけ潰すようにします。

まあこれもやりすぎるとせっかくの生楽器の演奏が抑揚のない演奏になってしまうので、その辺のバランスを考えながらやりましょう。

まとめ

ウッドベースのミックス方法を紹介しました。

音作りの準備段階としてグループトラックを作ることや、ピックアップ音のトラックで行っておくことを紹介しました。

グループチャネルで行うことは

  1. モワッとする低域成分のカット
  2. ベースラインの可視化

で、それぞれどのように行うかを解説しました。

いかがでしたか?冒頭で述べた通り、みちすけPも試行錯誤中ですので、これを参考にして自分なりの方法を見つけていただければと思います。

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